そんなこと訊いてないんですけど|考えが浅い方には耳が痛い話ーその2

前回の続編です。

今回もお店での例にしてみましょう。

店員:ストローおつけしましょうか?
客:大丈夫です

よく見かけるごく普通のやり取りです…などということは、口が裂けても言いません。
なぜなら、よく見かけはするが普通ではないから。それどころか、甚だしい誤りです。

Thinking time…

何が誤りなのか。まず、訊かれたことにきちんと答えていません。
「つけますか?」に対する回答は、「はい」「いいえ」のいずれかです。

それなのに、「大丈夫」なんて答えているわけですから。そもそも、何が大丈夫だというのでしょうか(笑)

どうしてこんなお門違いな返答をしてしまうのでしょう?

おそらく多くの方が次のように思うはずです。

「(しなくても)大丈夫」を省略したもの。

さらにThinking time…

でも、これって「大丈夫」の使い方を理解していませんよね。

本来この言葉は、そのままでは何かしら望ましくないことが想定されるときに、それを否定するために使う言葉です。

  • 落ちそうになっても、命綱があるから大丈夫だ→そのままでは、落っこちてしまう
  • しっかり補強したので、強く引っ張っても大丈夫だ→そのままでは、切れてしまう

こんな感じですね。

結局、彼らは勝手に店員の言葉を変換し、次のように返答しているわけです。

店員:ストローおつけしましょうか?
客:そんな心配をしてくれなくても大丈夫です

万が一、まだ分かりづらい方がいた場合のために添えておきます。

  • 店員さんは心配なんかしていませんし、大丈夫かどうかなんて気にしていません。
  • ストローをつけるかどうか以外のことはどうでもいいんです。
  • 業務として言っているのであって、お客への気遣いをしているわけではありません。

まだ、分かりづらい?

「ストローおつけしましょうか?」のどこに望ましくないことがあるのでしょう。そもそも、心配する必要がありますか。

もし、ストローをつけなければ問題が起こるとしたら、強制的にでもつけるはずです。お店の責任が問われますからね。

だから、店員さんが心配をするなんてことはあり得ないわけです。なのに、「大丈夫」なんて答えるなんてどれほど的外れなことか。

「つけますか?」
「大丈夫」

いい加減奇妙な感じがしてきたのではないでしょうか。

では、いよいよ本当に重要なことについて。

このおかしな返答をする人びとの心理は?

まだまだThinking time…

おそらくハッキリ拒否することを避けたいのでしょう。

相手に悪いという気遣いのつもりなのでしょうね。

その考え自体は問題ありませんが、そう考えることになってしまうこと自体に問題があります。なぜ、そんな考え方になってしまうのか。

それは、「感謝の念」が欠けているからです。

感謝する気持ちがないことを、気遣いなんかにすり替えてはいけません。実際に気遣いをしているのは相手(この場合は店員)の方ですから。

それに対する感謝がないから、余計な気遣い(気苦労)が必要になるのです。しかも、本当は気遣っているのではなく、後ろめたさを隠しているだけ。

相手の気遣いを受け入れ感謝することで、その後に拒否しても相手を拒絶することにはなりません。

「ありがとう。でも、けっこうです」

堂々と拒否するべきなのです。しっかり感謝したならできるはず。

「けっこうです」と堂々と言える人が増えることで、この世界に感謝の輪が広がっていくのです。