
車で走行中、前の車との車間距離があまりないというのに、無理に割り込まれたらどう感じますか?
「危ねえな、コノヤロー!」
これが普通かもしれませんね。
でもね、これがいちばん不毛なんですよ。
よくいわれることですが、車間距離は多めに取ったほうが安全です。
前の車が急停止したら、自分が加害者・被害者の両方になるわけですからね。

よくいるじゃないですか。
ほとんど車間を空けずに、ペタッとくっついてくる奴。
ああいう連中はこのことが分かっていないんですよね。
自ら危険度を増して、何のメリットがあるというのでしょう。
免許がある方はご存じのはず
ここで、おもしろいことをお話ししましょう。
常人の反射神経では、時速60kmで走行中、車間は44m以上空けていないと衝突します。
仮にボクサー並みの反射神経があって、瞬時にブレーキをかけたとしても、最低27mは必要です。
速度がもっと出ている場合は、当然数値はこれより上がります。
これは物理の法則が変わらないかぎり、どうしようもないことです。
宇宙の法則と同じで、逃れることはできません。
- なぜ、彼らはそんな愚かなことをするのか?
- なぜ、ほとんどの場合衝突せずに済んでいるのか?

1の答はすぐに思いつきますよね。
無知だからです(笑)
2が不思議じゃないですか?
先ほどの 44-27=17mというのが「あ!」と思ってから、実際にブレーキが効き始めるまでに走る距離です。
ということは、17m以上空けていない場合、必ず衝突してしまうはずです。
なのに、実際にはそんなことにはなりません。
不思議ですよね?
じつは、ここに思い込みがあるのです。
あることを忘れているんですね。
前の車も走っている
ことでした。
前の車も走っているとどうして衝突しないの?
逆に言えば、衝突するのは前者が完全に停止してから1秒以上経過したときということです。
ブレーキやタイヤの性能の差などは無視できる程度のものとしましょう。
そのうえで計算すると1秒以内(17m走る前)にブレーキをかけてやれば、衝突しないことがわかります。
時速60kmはおよそ秒速17mですから。
(60÷3600×1000≒17m)
いかがですか?
わずか1秒の間に、
→ 「ブレーキをかけなければ」と思い
→ 正確にブレーキレバーに足を載せ
→ しっかり踏み込む
という一連の作業をして、初めて衝突を避けられるのです。
しかも、これが走行中ずっとつづくんですよ。
人間の集中力の限界をはるかに超えていますよね。
すべてに意味がある

よくやりませんでしたか?
誰かに鉛筆を持ってもらって、放した瞬間キャッチするというアレ。
あれが何時間もつづくということですよ。
いやあ、とうてい集中力が持ちません。
だから、みんな車間距離を取るわけです。
1秒以上よそ見できるようにね。
まあ、とにかく、こういうことを理解できずに、割り込みするような人には感謝することです。
こういうのにまで感謝できるようになれば、かなりの上級者ということです。
別の見方をしてみましょう。
割り込まれて危ないと思うということは、彼らは「気も漫ろになり十分な車間が取れていない」ことを気づかせてくれる存在なのです。
おまけに記事ネタの主人公になってくれるわけですし。
しかも、愚か者という役まで引き受けて。
感謝以外に何ができましょう?
ついてる!
ありがたい!
感謝します!
「危ねえな、コノヤロー!」
よりずっと幸せな気分になれますよ。